去る5月1日、元号が平成から令和へと変わりました。令和時代の到来です。YouTube、LINE@、Facebookなどの媒体を用いるネットビジネス・情報発信の世界も、令和の到来とともに新しい時代に入っていくことは間違いありません。この記事では私の専門であるYouTubeに焦点を当て、この新しい時代すなわち令和時代において、YouTubeを使った情報発信がどのように進化していくのかを予備考察しておこうと思う。
平成時代の情報発信〜産声から乱立へ〜
振り返るに、Windows95の発売を契機とし、個人が情報発信をするうねりが始まった。技術革新は急速でインターネットとスマートフォンの普及に伴い、個人の情報発信の方法は幅が広がり多技術になる。ただmixiの事例のように時代の流行りから切り捨てられるプラットフォームやアプリケーションがあるものの、利便性を要するアプリが乱立飽和している状態になっている。例えば、YouTube、Facebook、Instagram、LINE、Zoom、メールマガジン、ブログなどである。これらのいずれか、または複数個を使っていない人の方が少ない。
平成時代の情報発信はその産声から発展進化に至るまで順調に歩みを進めてきた。一部有料とはいうものの誰もが利用できるサービスとして日常生活に欠かせないものとなり、個人で情報発信をする障壁は瓦解したと言ってよかろう。しかしながら、障壁がなくなることは、直ちに誰もが有効利用しているいということを意味しない。いみじくもデジタルディバイドという言葉が指し示しているように、情報受信と情報発信を問わず、「享受する者」と「享受しない者(できない者)」の二極化が生じていることは看過できない。この傾向にはますます拍車がかかっていくことだろう。
享受している者の間では、情報を発信する上でどのアプリケーションを使うのかという点において、最終的な解答は出ておらず、様々なアプリケーションが利用されるために乱立状態となっている。ネットビジネス業界のトレンドを追いかけてみても、「これからはFacebook集客の時代」いや「Instagramが有効である」はたまた「Zoomがトレンドとなる」など、次から次へと新たなサービスを展開し、セミナー商品が販売されているようだ。要は、一過性のトレンドに飛びついては次のトレンドへ飛んでいくといった状態の繰り返しである。厳しい言い方をすると、情報発信の手法を売り出している売り手が本質を掴みきっていないことが、多くの人々を困惑させる原因である。
私は平成時代のトレンドの中でもYouTubeの有用性に着目し、自らYouTube専門のプロデューサーとして活動してきた。この経験を活かし、以下では令和の時代の情報発信をいかに捉えるべきかを述べていきたいと思う。
令和時代の情報発信〜乱立から集約へ〜
平成時代には様々なサービスが打ち立てられ、消費者は好みや都合に応じてそれらを使用してきた。YouTube、Facebook、Instagram、LINE、Zoomといったアプリ、メールマガジン、ブログといった王道のサービス、近年ではオンラインサロンやクラウドファンディングといったサービスも隆盛し始めている。情報発信を試みようとするにせよ、どのサービスやアプリに基づいて行えばよいのというのは主張者によって答えが異なる。平成時代は情報発信サービス自体も乱立することで、教える側の主張も乱立してきたのである。
しかしながら、令和時代の情報発信には明白な解答が出されるであろう。2020年を境に日本でも5G技術が導入され、従来以上に巨大で高速なデータのやり取りが可能になる。日常と動画の境界線が瓦解する。どこまでが過去でどこからが未来なのか、何がリアルで何が非現実なのか、これらの境目がなくなるということだ。これに伴い、情報発信のサービスも再び淘汰され、本質的なものが残りさらに進化していくことが予想される。
まず想定すべきは、文字情報と動画の境界線が融解することである。つまり、従来のブログやメルマガはこれからも必要とされると同時に、YouTubeといった動画の世界と共所共有されるようになる。平易に例えるのであれば「読ませる動画」「動く漫画」といったイメージだ。この未来予測の是非はこれ以上突っ込まないとしても、動画を基軸として従来の情報発信ツールが集約されていくことは間違いないと思う。令和という時代は、情報発信ツールが乱立から集約へという流れが急速に展開されることになる。
オムニチャネル戦略
この傾向を踏まえ、さしあたり私たちはどのように対処すればよいのだろうか。画一的な情報発信プラットフォームが完成するまでの間、私たちが行うべきは「オムニチャネル戦略」である。ひとつの媒体に依存してその流行り廃りに一喜一憂することは、時代遅れも甚だしい。複数の媒体・サービスを利用していくことになるが、決して場当たり的にサービスを利用するのではない。選び抜いたサービスを周辺に並べ同心円状に多面展開を貫きつつも、本命の中心媒体に顧客が集約的に流入していくる仕組みが必要とされる。これをオムニチャネル戦略と呼ぶ。
このオムニチャネル戦略では、前面に展開される媒体やサービスが複数があるため、ひとつひとつのサービスの流行り廃りに柔軟に対応することができる。本命の媒体へと導かれる導線を描き顧客を集約させながらも、様々のサービスを補完的に駆使することで顧客の管理・運用、そして商品販売が可能になる。
外円に並べる媒体が、例えばFacebook、Instagram、ストアカ、BuzzVideo、C CHANNEL、TikTok、ブログといったサービス媒体である。これら媒体から興味を持ってもらった顧客を中心円に存在する媒体へと送客していく。中心に存在する媒体が、例えばYouTube、メルマガ、LINE@、これから充実していくLIVE機能である。外円から中心円に向けて顧客の関心度を高める集客導線を仕組み化しているものを私はオムニチャネル戦略と呼んでいる。
このオムニチャネル戦略こそ、令和時代の初期に必要とされる集客仕組みである。ブログやメルマガやYouTubeは例外とし、一過性のトレンド媒体の専門とするネットビジネスは消失していくことだろう。様々な媒体を適切な組み合わせ方で設計することができるオムニチャネル戦略の専門家が生き残っていくことになる。そして、5Gの導入に伴い、動画やLIVE機能は日常生活との境界線を溶かし、オンタイムでの動画やり取りが主流となり、さらなる革新を生み出していくことになる。
まとめ
平成時代の単発的な媒体を通じた集客方法は廃れていく。令和初期の時代は複数の媒体の導線を考えた「オムニチャネル戦略」が必要とされる。どのサービス媒体をどのように補完的に用いるのか、その組み合わせ方次第で大きなインパクトをもたらす集客システムを構築することができるようになる。私たちは動画で疑似対面しながら活字のコミュニケーションを活発化させていく。直接出会ったことがない人でさえ、日常に取り込みながら信頼関係を築くことができ、ビジネスを発展させることになるであろう。「オムニチャネル戦略」も過渡期となるが、令和初期では必須のビジネスモデルである。