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パラレルキャリアが流行語大賞に選ばれる日

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パラレルキャリアという言葉をご存知ですか?

 

2018年は副業元年との指摘がある。政府による働き方改革法案の推進にいよいよ拍車がかかっている。

私たちが新しい働き方を余儀なくされることはもはや避けて通れない。

実際、ソフトバンクなどの大手企業では副業を解禁するところも出てきている。

 

どのような呼称になるかは問わずとも、副業や複業という何らかの新しい労働の形を時代が要請しているのは間違いないだろう。

 

このような潮流を見事に探知していた偉人がいる。

誰もが知るところの現代経営学やマネージメントの権威ピーター・ファーディナンド・ドラッガーである。

ドラッガーは『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)において、これからの社会における生き方のひとつとして、「パラレルキャリア」という概念を提唱している。

この著作は1999年の出版であり、ドラッガーの未来を見通す慧眼には驚嘆してしまう。

 

このパラレルキャリアが指し示す意味合いは何だろうか?

 

英語のパラレルは「平行」や「並列」を表す。

キャリア論においては、自らのキャリアを同時並行的に獲得し進めていくことと解釈できる。

ドラッガーは、パラレルキャリアについて「本業を持ちながら、第二の活動をすること」だと述べている。

 

ここで重要なのは、パラレルキャリアは副業とは意味が異なることだ。

 

第二の活動をすることの定義は緩く、教会運営といったボランティア活動などの非営利団体への参加、他企業への転職、自営業の開始など幅広い活動を総括しています。

あくまで本業という軸を保持したまま新たな軸を付加していく労働形態をパラレルキャリアと位置付けている。

 

副業

副業とは一般的に、本業以外での収入の増加を目的として新たな仕事を行うことを指します。 収入増加を一義的な目的とするため、必ずしも自分の好きなことを生業にするとは限りません。

 

パラレルキャリア

これに対し、パラレルキャリアでは収入の増加が主目的ではなく、自身のスキルアップや視野・知見の拡大、技術・技能の獲得、将来に向けた自己投資として余暇時間を有効活用する働き方が求められます。パラレルキャリアによって習得した技能や知識は、本業に対してプラスの影響を与えるものとして歓迎します。

 

ところで人々がパラレルキャリアを始める契機となるのは何か?

 

①趣味の延長線

②非営利活動やボランティアなどへの参加

③起業の下準備

 

余暇や余剰時間を利用して自分の趣味を他人に教授する。

休日を使って非営利活動に勤しむ。

未来の企業の下準備ともなる自分の能力・スキルをさらに磨く。

これらは自分一人というよりも他人との接触を通じて、自分の能力・スキルの向上に向けた活動といった意味合いを持ちます。

当初から報酬や利益を求めるものではありませんが、徐々に報酬を得るようになる方もいらっしゃいます。

 

特筆すべきは、本業とは別に2枚目の名刺が出来上がるような深い活動を行う実態を伴う点です。

 

この意味において、パラレルキャリアと呼ばれる内実を有します。

 

パラレルキャリアは何も学術的な専門用語ではありません。

上記の通り、様々な行動を通じてたくさんの人々がパラレルキャリアを築く活動を行っています。

 

働き方改革法案の可決はこの流れに拍車をかけ、パラレルキャリアという実態が周知されるようになると思われます。

 

働き方改革法案は何も副業を始めることを狙っていた人々が喜ぶだけではなく、これまで表に出しにくく水面下で活動を行っていたパラレルキャリア活動を行う人々が積極的にとりだたされるようにになります。

 

あなたは働き方改革法案をもってどのように人生を変えていきますか?

2枚目の名刺は貰えるものではなく自ら創り出すものです。

あなたの周りにも、あなたが気づいていないだけで、たくさんのパラレルキャリアの人々が存在しています。

新しい働き方が国家からも求められる時代になりました。

変化に対応できないものは生き残れないとは、かの有名なチャールズ・ダーウィンの指摘である。

 

あなたは自らのキャリアにどのような変化をもたらしますか?

パラレルキャリアが流行語大賞に選ばれる日は、もうそこに近づいている。

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